本から教訓を得よう
「地獄のドバイ―高級リゾート地で見た悪夢」著者:峯山 政宏
内容:
2007年にアラブ諸国連邦でドバイドリームを体現すべく寿司職人としてドバイへ行った青年。しかし、時期的なタイミング、出会いに恵まれず、結局とある肥料会社で、芝生の管理をすることになった日本人男性の話。
しかし、会社が突然閉鎖したことより、滞在に必要な労働ビザの有効性(スポンサー)が切れてしまう。帰国手続きを済ませて日本に帰国するはずが、英語が通じない警官の誤認によって、滞在法違反という無実の罪で刑務所に入れられる話。
そして、冤罪にも関わらず、罪が取り消されずUAEのブラックリストに乗り今後一生入国禁止の処置にされる話。
法や秩序が整理されていない後進国に良くある話で、社会構造のトップに君臨するUAE人オーナーの意向ひとつで、出稼ぎ外国人の処遇が決まることが分かる。
教訓
UAEの社会構造のトップはUAE国民。自国民優遇制度で至れり尽くせり。
UAE におけるUAE人の人口(自国民)は、全体の10%、残りは出稼ぎ外国人90%という人口比率である。
ちなみに、この10%はUAEの石油収入再分配で、以下のような金銭的な優遇がされているのが特徴である。
・労働力の自国民化政策(Emiratization) →業種・企業規模に応じたUAE国民雇用の義務化 ・(UAE国民)国公立校の学費無料,公営住居無料・補助支給
アラビア語が分からないデメリット
英語が共通言語ではあるが、母国語なので当然ながら、UAEのトップ層はアラビア語をはなす。
上司や決定権を持つ人がアラビア語圏の人だったら、アラビア語が分からないことはあなたにとって時に不利に働く可能性があると思う。
その事実さえ分からない、分かっても証明できないのは、窮地に陥ることとなる。
なので、UAEで働くうえで、会社の上司、VISAのスポンサー、UAE人達への接し方は気を付けた方が良いだろう。
なぜならば、イギリス人が現地人に中指を立てたことにより、拘束される事件が起きたからだ。
ちなみに、刑務所に入ったら、再びUAEに訪れることは不可能にちかい。国外追放基本である。
別に、Yeaマンになれ、奴隷になれと言っているのではないが、
話し方や表現に気を付けて、正論をかざして徹底的に相手を追い詰めたり、プライドをズタズタに相手を論破するのは避けたほうがいいかもしれない。
これは、自分が加害者にも被害者にもなることを避ける術である。
そして、セーフティーネットを張ることである。
できれば、UAE人の友人で、いざという時に助けてくれる人脈があったほうが良いであろう。
私は権力がものをいう社会や、振りかざす人は嫌であるが、自分にまったくの力がないので、社会構造の弱者である。正義、正論、ルールは、権力が決める。複雑な心境だが、虎の威を借りること、それは生き抜くサバイバル術になる。
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